【2026/9/7〜9/14】週刊AIニュース

ChatGPT Images 2.5、GPT-Live-1、iPhone Duo。そして週末、開発トップ4人が「減速」で一致した1週間

みなさん、こんにちは。
チャエンです。(自己紹介はこちら

📣 お知らせ

【GPT-6対応】Codex完全解説講座を10/3(土)にやります

先週「今週はCodex日和です」と書きましたが、今週はもっとCodex日和でした。
OpenAIが今週出したものを並べると、画像(Images 2.5)、音声(GPT-Live-1 API)、エージェント基盤(Agents API)、業務データ(Data agent)、金融(ChatGPT for Financial Services)。全部が「ChatGPTの中で完結する仕事」を広げる方向に揃っています。そして、そのど真ん中にあるのがCodexです。

というわけで、10月3日(土)12:00〜14:00に「【GPT-6対応】Codex完全解説講座」をやります。 8月のClaude Codeハーネス入門講座の続編で、今回はCodex側です。

■ 当日やること

  • Codexの主要機能と設定をひととおり解説(ハーネス設計込み)

  • 資料とLPを作るところを実演

  • 社内アプリを作る実演+その場で手を動かすワーク

  • Claude Codeの指示やSkillsを引き継ぐときの確認ポイント

  • 完成物の確認と、次回のための指示の残し方

事前学習動画3本(約27分)と、指示ファイル・Skillのひな型を含む基本特典9点、さらに「初めてのCodex 完全教科書【PDF版】」をお渡しします。PDFは最新情報を反映して、講座当日中に送ります。

プログラミング未経験でも参加できます🔥(ChatGPT Plus以上が対象)。オンライン開催・アーカイブあり、本編90分+質疑30分。早割7,480円は先着50名、通常9,800円、定員150名。 前回はいったん満席になったので、気になる方は早めにどうぞ!

今週は「平日にOpenAIが"仕事の入口"を5つ押さえ、週末に開発トップ4人が"速度を落とす"で一致した1週間」 でした。

先週の主役が「GPT-6 Astraというモデル」だったとすれば、今週の主役は2つありました。「Astraを載せる器」と、「その速度をどう扱うか」です。
画像、音声、エージェント基盤、社内データ、金融。この5つは全部、これまで別々のSaaSが持っていた入口です。

それが1週間でChatGPTの内側に移りました。しかもAgents APIに至っては、OpenAIが自社のCodexで使っているハーネスを、そのまま外へ開放しています。「モデルを配る」から「仕事のやり方ごと配る」へ、商売の形が変わりました。

そして週末正反対の話が出てきます。 ダリオ・アモデイ氏が個人サイトで公開した論考「We Must Pace the Frontier」は、「AIモデルの能力を改善するペースを落とさねばならない」という一文を中心に据えています。理由に挙げたのは能力の高さではなく、AIが次のAIを作る「再帰的自己改善」の加速と、エージェント群が勝手に暴走した実例でした。

驚いたのは、その後の48時間です。 サム・アルトマン氏、イーロン・マスク氏、デミス・ハサビス氏が相次いで同意しました。主要ラボのトップが揃って「速度を落とす」側に立ったのは、私の知る限り初めてです。

Table of Contents

⚡️ 先週の注目AIニュース

① OpenAI:ChatGPT Images 2.5 公開 — 画像生成が「作って終わり」から「直して使える」に変わった

米国時間9月8日、OpenAIが「ChatGPT Images 2.5」を公開しました。

今週、私がいちばん長く触っていたのはこれです。解説動画まで撮りました。

いちばん大きいのは「編集を重ねても壊れないこと」です。 従来の画像生成AIは、修正を3回も重ねると顔が別人になり、文字が崩れ、背景が入れ替わりました。Images 2.5は、参照写真の被写体を保ったまま、複数ターンにわたって編集指示を守ります。 実際に9回連続で編集をかけて比較しましたが、体の大きさや質感には変化が残るものの、顔と文字が崩壊しないのは明確に変わりました。

速度も上がっています。OpenAIの公称で、Images 2.0比でレイテンシが最大50%減。 体感では劇的というより「待ち時間が気にならなくなった」レベルですが、修正を何度も回す使い方では効いてきます。提供はChatGPT・ChatGPT Work・Codexの全ティアで、デスクトップ・モバイル・Webに展開されました。

新しい操作系が4つ入りました。特にSketchとコメント修正は、言葉で位置を説明する手間が丸ごと消えるので、資料作りの体験が変わります。

  • Sketch:ChatGPTの中に直接ラフを手描きして指示を渡せる機能(@Sketch で起動)

  • Templates:ポスター・グッズ・商品写真などの型から始める機能

  • Image comments:画像の特定の場所にコメントを置いて、そこだけ直させる機能

  • Prompt sharing:自分の画像アイデアを、他の人が自分の素材で再利用できる形で共有する機能

APIは2系統に分かれました。FlareとSunburstの料金は同じです。

  • GPT-Image-2.5 Flare:日常の生成、量産ワークフローに向いている高速な既定モデル。Image 2比で最大50%低レイテンシ

  • GPT-Image-2.5 Sunburst:作り込む制作物、細かい編集向いているモデル。精密な編集制御。生成は遅い

そして翌9日、Arena(旧LMArena)で結果が出ました。 人間のブラインド投票で順位が決まる評価基盤で、Text-to-Image / Image Edit / Multi-Image Edit の3部門すべてで1位Sunburst・2位Flare。

資料の図解、SNS投稿画像、広告バナー、YouTubeのサムネイル、ロゴのたたき台など、簡単なデザインなら、毎回デザイナーに出さずに自分で作って直すところまで回せます。 私も伝説の霞ヶ関資料を再現させてみましたが、もはや本家との判別が難しいレベルでした。外注していた「軽いデザイン」の一部は、今週から社内で回せます。

② OpenAI:9月10日だけで4本投入 — 音声API・エージェント基盤・社内データ・金融特化版

米国時間9月10日、OpenAIは1日で4つの発表をしました。 バラバラに見えますが、並べると意図がはっきりします。「ChatGPTの外にあった仕事を、全部内側に引き込む」です。

【1】GPT-Live-1 が API 提供開始 — 音声レイヤーが1分$0.05
ChatGPTの音声モードのあの自然さが、そのまま自社プロダクトに入る段階になりました。技術的に効いているのは「フルデュプレックス」です。 従来の音声AIは「こちらが話し終わる→AIが考える→AIが返す」というトランシーバー型でした。GPT-Live-1は聞きながら同時に話せるので、相づちが入り、こちらが言い直しても会話が止まりません。

そしていちばん面白い設計が「音声と推論の分離」です。 GPT-Live-1は音声の入出力だけを担当し、推論とツール呼び出しは GPT-6 Astra などのバックエンドモデルに委譲できます。 つまり「話し方はGPT-Live-1、考える中身は好きなモデル」という組み方ができる。料金は音声レイヤーが1分$0.05(秒単位課金)で、バックエンドのモデルとツールは別課金です。10分話して$0.50なら、試すハードルはかなり低いですよ。

【2】Agents API が公開ベータ — Codexのハーネスがそのまま借りられる
OpenAIが「Codexを動かしているハーネスそのもの」をAPIとして提供し始めました。 公式サブタイトルが「Build and run cloud agents with the Codex harness, fully managed by OpenAI」です。

エージェントを自作したことがある人なら分かると思いますが、しんどいのはモデルではなく周辺です。 セッションの管理、コンテキストが溢れたときの圧縮、落ちたときの復帰、サブエージェントへの委譲。これを全部OpenAI側が持ちます。 公式ドキュメントに「OpenAIがセッション、オーケストレーション、コンテキストの圧縮、リカバリを管理し、あなたのアプリケーションはツールを提供して実行環境を選ぶ」と書かれています。

しかも Agents API 自体に追加料金はありません。 消費したトークンとツールの標準料金だけです。

【3】ChatGPT Work に「Data agent」— 話しかけるだけでダッシュボードができる
Snowflake・Databricks・BigQuery・Amazon Redshift・ClickHouse・MongoDB・Datadog などに直接つなぎ、会話だけで社内データを可視化します。 しかも社内の指標定義を Databricks Genie Ontology・dbt・GitHub・Snowflake Horizon・BIダッシュボードといった「意味の層」から読むので、「売上」が何を指すのかを毎回説明しなくて済みます。

日本からはNTTデータがアルファ参加しています。 NTT DATA Group の Global AI Office ヘッドのコメントも公式ブログに載っています。「BIツールを開いて、欲しい数字にたどり着くまで15分」という仕事が、そのまま消えるタイプの機能です。

【4】ChatGPT for Financial Services — 投資銀行と株式リサーチから
Morgan Stanley と Evercore をデザインパートナーとして設計した金融特化版が同日に提供開始されました。Daloopa・PitchBook・LSEG News・Crunchbase などのプレミアムデータをOpenAI側がインデックス・ホストし、数値や主張を出典まで遡れる細かい引用付きで返します。

用途は企業リサーチ、バリュエーション、LBOモデリング、買い手スクリーニング、決算分析、ピッチブック作成など。

この4つに共通しているのは、「これまで人間が別のソフトを開いてやっていた仕事」を、会話の中に引き込んでいることです。音声対応の受付、社内データの可視化、金融リサーチ。どれも既存SaaSの主戦場でした。 自社が何かのSaaSを売っているなら、「ChatGPTの中で同じことができるようになったとき、何が残るか」を一度考えておくタイミングだと思います。

③ OpenAI公式:「GPT-6 Astraにはプロンプトを盛るな」— 指示は増やすより"削る"時代に入った

今週いちばん実務に効いたのは、新製品ではなくこのガイドでした。 OpenAI Devs が 「Rethinking skills and prompts for GPT-6 Astra」(GPT-6 Astra向けにスキルとプロンプトを考え直す)を公開し、9月11日(日本時間12日)に公式Xが告知しました。

主張は一貫しています。「旧モデル向けに手厚く書いた指示が、上位モデルではむしろ足を引っ張る」。「Sol や Luna を助けるガイダンスが、GPT-6 Astra を過剰に制約することがある。自分が残した指示を、どのモデルが読むのかを考えよ。」と原文は主張しています。

具体的な指摘が4つあります。
1. Skillの説明文が長すぎる
「説明が長すぎるものが多く、スキルを増やしすぎるとCodexが説明を短縮して収めようとする。モデルが各説明の一部しか見なくなり、どれを選ぶべきか分からなくなる」。悪い例として挙がっているのが「データベース関連の作業なら常に使う」。これだとDBという単語が出ただけで発火します。
良い例は「migrationの追加・変更・rolloutの確認のときだけ使う」行為で絞れ、ということです。
2.段階的開示(progressive disclosure)
「有用なスキルの重要な指標のひとつが段階的開示だ。ルート文書は最小限のルーターにして、補助ドキュメントやスクリプトを指し示す形にせよ。
3. AGENTS.md も同じ
悪い例「編集の前に必ず architecture.mddatabase.mddeployment.md を読め」
良い例「サービス境界の変更なら architecture.md、スキーマ変更なら database.md、デプロイ準備なら deployment.md を使え」。「必ず読め」を「こういうときだけ読め」に変えるだけです。

4.「石橋を叩きすぎる」問題
個人的に一番刺さりました。「Astraは(古い制約文言を)真面目に受け止めすぎて、本来なら続けてほしい場面で作業を止めてしまうことがある。」とガイドに明記されています。

④ Anthropic:ダリオ・アモデイが「AI開発のペースを落とせ」と提言 — 週末48時間で、アルトマン・マスク・ハサビスが同意した

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