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【2026年9月最新版】フィジカルAI最前線を全部まとめてみた。米中の人型ロボットは今どこまで進んでいる?
各社のロボットとモデルを、業界地図から全部整理する
みなさん、こんにちは。
チャエンです。(自己紹介はこちら)
2026年8月の最終週、ロボットまわりのニュースが明らかにおかしい密度で流れてきました。

8月22日:Figure 03 が、本社周辺の公道脇を普通に歩いている動画が流れる
8月23日:北京で世界人形机器人运动会。走り幅跳びで7.97m、100mは最終的に8秒台に
8月25日:Figure が Index を公開。一般人が撮った動画1,600万本の動画を投稿
8月25日:Skild AI が S1 を発表。動画1本で、見たことのない10分タスクをこなす
8月20〜24日:北京の世界机器人大会で、300kgを積める4本足のロボット馬に人が試乗
正直に言うと、Figure 03が本社の近くの道路脇を普通に歩いている映像を見た時がいちばん「来たな」と思いました。ステージの上でバク宙するロボットより、近所を歩いているほうがよっぽど怖い。「AIといえばチャットの話」だった空気が、明らかに変わってきています。
今回この分野を改めて調べ直したところ、数字の熱狂と実績の乖離がAIの他分野より大きいです。投資銀行の予測は「2050年に5兆ドル・10億台」。一方、2026年上半期に世界で実際に出荷されたヒューマノイドは19,100台です。Teslaのマスク氏は2026年1月の決算説明会で、Optimusについて「工場で実質的には使われていない」「まだR&D段階だ」と自ら認めています。
またこの業界は、Figure、Tesla、Unitree、1X、Agility、Apptronik、Boston Dynamics、宇树、智元、優必選、Physical Intelligence、Skild AI、NVIDIA、Google DeepMind……といった名前だけが飛び交っていて、「どの会社が何を作っているのか」が全然整理されていません。ロボットの会社なのか、モデルの会社なのか、それすら混ざっています。
整理した結論として、フィジカルAIは「体」「脳」「土台」「データ」の4階建てです。ニュースを見たら、まずどの階の話かを判定してください。それだけで理解度が変わります。

そして2026年のいちばん大きな変化は、勝負の場所が「体」から「データ」へ移ったことです。
9月15日、私は「第4回 GMO大会議🍁秋 フィジカルAI 2026」に登壇します。テーマがまさに「フィジカルAI」今回の記事を読んで興味をより持った方は、ぜひご参加ください!
Table of Contents
1.そもそも「フィジカルAI」とは何か
「フィジカルAI(Physical AI)」という言葉は、NVIDIAのジェンスン・フアンCEOが2025年1月のCES基調講演で広めたとされています。
NVIDIA が主催した2026年3月のGTC(GPU Technology Conference)では、彼はこう宣言しています。
「Physical AIは到来した。あらゆる産業企業がロボティクス企業になる」
中国語圏では「具身智能(Embodied Intelligence)」と呼ばれます。こちらは2025年3月5日の政府工作報告に初めて明記され、国家戦略の言葉になりました。呼び方は違いますが、指しているものはほぼ同じです。

しかし、なぜロボットには「ChatGPTモーメント」がまだ来ないのでしょうか。
LLMは、人類がインターネットに書き溜めた文章という「タダの巨大データ」があったから一気に伸びました。しかし、ロボットを作る上で必要なデータが無いからです。
「コップを掴んで3cm持ち上げて、傾けずに30cm右へ運ぶ」という動作のデータは、誰かが実際にロボットを動かして記録するしかない。
これがロボット版の「モラベックのパラドックス」です。囲碁、司法試験といった人間にとって難しいことはAIには簡単です。しかし、洗濯物をたたむ、散らかった机からペンを拾うといった、これまで普通に人間が行なってきた簡単なことはデータがないためAIには極端に難しくなっています。
カリフォルニア大学バークレー校のケン・ゴールドバーグ教授は、この差を「10万年のデータギャップ」と表現しています。
そのため2026年の競争は、モデルの構造よりも「どうやってデータを集めるか」に集中しています。
1.1 業界地図 ── フィジカルAIは4階建て
フィジカルAIと一口に言っても、4階層に分かれています。そのため、ニュースを見たら、まずどの階の話かを判定してください。

そして重要なのは、この4つは別々の会社がやっていることが多いという点です。
Boston Dynamics Atlas
体は自社製ですが、脳はGoogle DeepMind Gemini Roboticsとトヨタ研究所(TRI)のLarge Behavior Modelです
Apptronik Apollo
脳は Google DeepMind の Gemini Robotics
Figure
体(Figure 03)・脳(Helix)・データ(Index)を全部自社でやっています。2025年2月にOpenAIとの提携を解消したのは、この方針転換のためです
NVIDIA
ロボット本体を作りません。1Fと3Fを押さえて、全メーカーに売る側です
このように「ヒューマノイド企業」と一括りにすると何も見えません。垂直統合型(Figure・Tesla・Unitree)と、分業型(Boston Dynamics・Apptronik + DeepMind)に大きく分かれています。
そしてこの構図は、PC業界の「Windows と Intel が全メーカーに売る」構造にとても似ています。NVIDIAとGoogleが、ロボット版のそのポジションを狙っている、と理解すると一気に見通しが良くなります。

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